Mariner Calc が動いた

Mariner Calc はMac用表計算ソフトです。でした。かなり老舗ですがとっくに開発が終了しています。長らく気づきませんでしたが、macOS 10.14 Mojave で動いたので感動。という感傷的なお話です。

Mariner Calc

Mariner Calc はMac用の表計算ソフトです。

時は1990年代初頭、Mariner Calc をとても気に入っていたんですよ。複数シートの串刺し計算という、Excel でも当時まだ未対応だった機能を備える高機能さと、高速起動してサクサク利用できる軽快さが見事でした。

Mariner Calc は順当に更新され、MacOS X にも対応しました。その頃には高機能ではなくもっぱら軽快さを極めていました。Excel はじめ世のアプリケーションが重厚で面倒くさい巨大アプリ化したのと正反対でした。

バージョン 5.6

最後のバージョンは 5.6 で、これは日本語化もされています。昔日本という国は世界経済に多大な影響を与える巨大市場でしたから、アプリケーションの日本語化は当たり前、日本法人も各社いろいろありました。それはともかく、5.6 の頃はすでに開発を継続する意思が感じられない状況で、OS事情の何かに対応するために仕方なく更新した感じでした。

後に Apple が Numbers を出したことで、自分の中では Mariner Calc と置き換わりました。Mariner Calc にくらべて使い勝手は悪くなりましたが、でもまあ、最新ソフトで安心感もあるし、クラリスワークスの代わりとして置き換えました。さらに後、iWork のアプリは最悪の更新を経て完全に使い物にならなくなりました。

Mariner Calc の最後のバージョンアップはありがたいことでしたが、Numbers が使い物にならなくなった頃は Mariner Calc もOSとの絡みで問題が多発し、使えないなと思ったような記憶があります。

でも棄てるには惜しすぎるので、変な名前のフォルダにしまい込んでいました。

Mariner Calc 復活

で。何の脈絡もなく、FileMaker でメディア管理を作成していて、フォルダからのインポートをあっちこっちでテストしていたら、何やらなぞのファイルも一緒くたに読み込んでしまい、これ何だろうとメタデータ見たら Mariner Calc 書類という、そういう久しぶりの対面をして、試しにファイルをダブルクリックしてみたら Mariner Calc 5.6 が起動しました。

「普通に使えるやん」最初にそう思いました。なぜか「もう起動もできず使えなくなった」と誤った記憶にすり替わっていたんです。

それで嬉しくなって、簡単な計算をいろいろ試してみたら、マジ普通に使えます。何の問題も感じられません。信じられないほどの軽さで起動も一瞬。電卓アプリではちょっと足りないという程度の計算をサクッと行うには最強の選択です。ただし扱う文字コードが古くて日本語はやや不得手。

mariner calc overview — mariner calc 唯一ちょっとした弱点は、新規書類が全画面で作られてしまうことと、文字コードのせいでcsvを開くと文字化けが多発すること。

Mariner Calc は、自分の中で完全復活し、アプリケーションフォルダに戻ることになりました。

Mariner Calc の印象が良いせいで、他のアプリもいろいろ世に出してきた Mariner をしばらくは追っかけていました。しかしこの十年で何が起きたのかわかりませんが、数年前に「あれ？Mariner Calc の更新のお知らせこないけど、Mariner なくなったんか？」とサイトを確認すると、なくなったのは Calc だけのようでした。かなりのがっかりですが、こうやってソフトは生まれ死にゆくものだと、LivePicture の頃から知っています。しかし10.14の時代、Mariner Calc は甦っていました。今後も使いますとも。