Retroactive – macOS 10.14 Mojave で Final Cut Pro 7 を使ってみた

Retroactive icon

ひょんな事から macOS 10.14 Mojave で Final Cut Pro 7を使用できてしまったので、そのお話。

Final Cut Pro が macOS 10.13 で起動できなくなって以来、QuickTime 7 は10.14で壊滅、Apertureは10.15で消滅と、Mac史上最悪の数年間が続いています。それに伴う対処、手立て、変換作業、移行措置、代替探しと試用で、ただでさえ短い人生の貴重な残り時間を無駄に浪費している状況です。

さて私はものを知らず世間の動向にも疎いし何も詳しくないあほなので今まで全く知らずにいたひとつのソフトウェアを知ることになりました。

Retroactive

Retroactive icon

それは Retroactive です。macOS 10.15 で起動できなくなった Apertureを起動させるという魔法のプログラムとして、数年前に各所で話題になっていたそうです。今はじめて知った私は遅れたやつってことです。

10.15 Catalina で Aperture が起動できなくなるということは知っていたので、私の行った対処は「10.15を使わない」という後ろ向きなものでした。でもちょっとは前向きな心もあって、それまで「これが最期」と思って使っていた10.12 から覚悟を決めて一気に10.14に二段階アップグレードしたんですよ。

そんな状態なので10.15 のことなどまるで興味なかったわけです。ですのでMacの記事やブログを見かけても「10.15」「Catalina」「Biu Sur」などの文言があるだけで「関係ないな」と、読みもせず即閉じしていました。

Retroactiveの名を知ったのは、一見関係ないAffinity のフォーラムでした。メディア管理ソフトを開発してほしいという話の流れの中で、Apertureを10.15でも使っているという人がいたことがきっかけでした。 

ということで Retroactive で何ができるかというと、10.15 でApertureが使えるようになります。

10.15で Aperture が起動できる

Retroactiveで処置を施せば、10.15で起動できない筈のApertureが動くという。ただし完璧に動くというものでもないそうで、例えばムービーは駄目、スライドショーを書き出したりもできません。できないこともあります。

完璧でないにしろ起動できて基本の動作ができるだけで嬉し泣きだし、移行期間を延長させるという意味でも大いに価値があります。このアプリケーションを開発して公開してくれている何とかさんという方は今世紀の偉人のひとりですね。

さらに、10.15で起動できるようになるのは Aperture だけでなく、iPhoto と iTunes も含まれます。

さらにさらに、10.15 Catalina だけでなく、Big Sur でも Aperture、iPhoto、iTunes が実行できます。すごくないですか?

Big Sur でApertureが動くとなれば、ちょっと人生設計変わりますね。この件は深く考察する必要がありそうです。

ここ5年間ほど、Apertureの代替を探したり、Apertureでやっていたことを複数アプリで代替できないか探ったり、挙げ句の果てにはFileMakerで自作したりと、人生を棒に振ってきました。今も代替探しを無駄に行い寿命を削り続けています。と言う話は置いといて。

Retroactive、まだあります。

10.14 で Final Cut Pro 7 が起動できる

10.14 Mojave、10.13 High Sierra で Final Cut Pro 7 が実行できるんだとか。わお。それマジすか。あなた神様ですか。

さらに、iWork ’09 即ち Pages 09、Numbers 09、Keynote 09 も動くんですって。

まさかの Final Cut Pro 7 対応にデジタル部の部長かつデジタル刑事は目眩寸前です。数年前の話題に今頃興奮してあほみたいですが早速ダウンロードして試しましょう。

できた

結論から言いますと、Final Cut Pro 7 に魔法の粉を振りかける Retroactive の神業によって、Mojave で Final Cut Pro が動きました。

手順: ダウンロードして起動してアプリを指定します

まずRetroactiveをダウンロードします。Retroactive はこちらgithubにあります。
-> https://github.com/cormiertyshawn895/Retroactive

githubってページ翻訳も効かないし構成も判りにくいし、たいていは「githubでダウンロードしてください」なんて言われてもそのダウンロードをどうやるのかさっぱりわかりません。でも Retroactiveの作者は人間の出来具合が一歩抜きん出ています。一般人に難解なgithubのページ内に、とてもわかりやすい説明とダウンロードボタンを用意してくださっていました。

github Retroactive page

ボタンの下には説明もあります。ページ翻訳が効かなくても、話題のDeepLなんかを使用して翻訳すればよく理解出来ます。

さてダウンロードしたら起動します。

Retroactive 起動画面

頼もしい起動画面から、Unlockを選びましょう。

魔法のプログラムの正体はアンロックなのですって。つまりロックを外すと起動できるのに、ただ鍵を掛けて閉め出した、つまりApertureやFinal Cut Proが新しいOSで動かないというのは、動かないのではなくて動くけど動かせなくしただけというAppleの嫌がらせ、ハラスメントだったんですね。

それはともかく、案内が続き、近頃の過剰セキュリティの措置を促してきますので許可を与えます。その他、元々のアプリを持っていない人のためにダウンロードリンクや、入手可能性の案内が出てきます。

Retroactive step2

アプリをすでにインストール済みの場合は多くの場合自動で見つけてくれて、従来のインストール場所でない場所にある場合は手動で指定します。

Retroactive step3

 Retroactiveが動き出し、概ね2分以内に魔法は完了します。

アプリケーションそのものを何か変更するみたいなので、変更前のバックアップを忘れずに取っておきましょうね。

さて、この簡単な手続きの後、Mojaveで Final Cut Pro 7 が見事起動しました。感動の一瞬です。

Mojave上のFCP
mojave で Final Cut Pro が動きました

ちょっとしたプロジェクトファイルを開いてみましたが、トラブルもなく普通に動作します。

ただし Final Cut Pro 以外の Final Cut Studio アプリケーションにまでは対応していないので、タイムラインに連携がある場合はアウトでしょうね。

ということで Retroactive のお話は以上です。このポストの時点でバージョンは1.9でした。

個人的な事情と見解

日本にとっては失われた25年が30年になりつつありますが、自分にとって失われた5年間というのはApertureとFCSに尽きます。

FCSをどう変換・移行するのか調べたり(FCSを解体すること)、それを諦めて10.11〜10.12の起動ボリュームを確保したりと手間を掛けてきました。

FCSはさすがに新規プロジェクトを作成することをやめ、もっぱら過去プロジェクトの整理を行っています。

ApertureはFCSより少し延命されましたが、FCSと違って過去形にはなっていなくて、現役メインアプリです。ですので問題も大きいです(apertureを解体する)。

10.14がApertureの最後のOSですが、実際は問題だらけでトラブル続出、特にQuickTimeのせいでムービー壊滅もしています。Apertureの代替を探すことに待ったなしの状況となりました。直近ではAperture代替候補を試用しまくりで(画像管理のアプリ)他の仕事が手に付かぬレベルで悪化しております。

という感じで、Final Cut Pro と Aperture は、自分にとっては当然Mac本体やmacOSなんかより遥かに重要なもので、これが動くOSの延命が可能というのは、たとえそれが単にバージョン一個か二個の話だとしても大きな出来事なのでありました。

[追記]

RetroactiveでFinal Cut Proが起動できたわけですが、思わぬ副効用がありました。この措置を施したあと、QuickTime Player 7の失われた書き出しコーデックが復活したんです。消されたQuickTimeの機能はもともとFinal Cut Pro によって付与された機能だったからだと思います。