OpenCore Legacy Patcher を使用すると、最新macOSに非対応のちょっと古いMacに新しいmacOSをインストールできます。その環境下で XtraFinder を使おうとするとハマりますが、何とか使えるようにしましょう。
あまりにもニッチな対象者向けのポストですいません。まず手元にちょっと古いMacを持っていて、そのMacに OpenCore Legacy Patcher(以降”OCLP”)をインストールして非対応の新しいOSをインストールしてシステムを構築、その環境下で XtraFinder をインストールしようとしたら上手くいかず、上手くいかないどころか不可逆的な問題のためボリュームもろとも消して作り直しをも余儀なくされ、何度もくじけた末に「しゃーない。XtraFinderは諦めるか」と一旦諦めたものの、やっぱり日常使いでXtraFinderが効かないのが苦痛で、何とかこれを使うことができないだろうかと改めて情報を漁っていたような人、即ちここの筆者のような人のみを対象にしています。果たしてそんな人がこの世に何人いるのか、3人くらいいるかもしれない。もうちょっといるかもしれない。そんな人に朗報です。
OCLP で無理くり動かしている新しいめのOSで XtraFinder 使えます。
ということで本題いきます。
OpenCore Legacy Patcher
OCLP を使って措置を施せば、ちょっと古いMac用の新しいOSのインストーラーを作ることができて、実際、インストールして使うことができます。
OpenCore Legacy Patcher についてはここでは詳しく説明しません。
OpenCore Legacy Patcher – Experience macOS just like before
OpenCore Legacy Patcher Release Apps
丁寧な日本語の記事もあります。
【ガイド】OCLPを使って古いMacに最新のOSをインストールする – oclp.net
OpenCore Legacy Patcher 2.3.0リリース – あの角を曲がれば、かぼしー
他にも参考になる記事があるので興味ある方は検索などして読んでください。
MacBook Pro 15inch mid 2012 で Sonoma を使ってみる
そんなわけで、ここの筆者の手元にある MacBook Pro 15′ mid 2012 に、ものは試しと OCLP を使って Sonoma 環境を作ってみました。
OCLP をダウンロードしてインストール、Build and Install OpenCore で、パッチを当てた OpenCore をインストールします。
USBメモリ32GBを用意して macOS(この時は Sonoma )のインストーラーを作成しました。わざわざUSBメモリ使わなくてもパーテーション切ったらイケそうな気もしますが、よくわからないので完全に別ハードウェアでやりました。
難なく MacBook Pro に Sonome がインストールできたのです。
まあ、でも無理を重ねるような仕組みを使うわけですから完璧というわけにはいきません。いろいろ上手くないこともあります。でも考えていたよりずっと問題は少なく、正直「これはすげー実用に耐えるー」と思いました。
Retroactive の Aperture はアウト
ここで気になるクセのあるプログラムが動いてくれるのかという話です。
Retroactive という神アプリを使うと、Sonoma 上でも Aperture が起動できるようになります。ビデオファイルは全滅ですが、動いてくれるだけでもスゴいことですよね。でも残念ながら OCLP で構築した Sonoma では Retroactive で細工した Aperture、起動してくれません。
XtraFinder …
XterFinder は Finder に「上へ」のボタンを付けたり、サイドバー項目をカラー化してくれたりするユーザー体験向上のユーティリティです。これ長年自分にとって必須ユーティリティです。なくてもいいかな、とも思いましたが実際これが使えないとストレスが蓄積しまくりました。
このアプリはインストール方法が手間で、まず最初に SIP を無効にしないといけません。コマンド+R 起動してからターミナルで csrutil コマンドを使用します。
で。いつものように、OCLP でパッチがあたっているシステムでやってみたわけです。そうすると、アウトだった上に、システム壊れました。
XtraFinder は起動しません。起動しないだけじゃなく、なにやらシステムの様子が変。カクカクで遅くなり、使い物にならなくなりました。Metalが効いてない感じです。シフト起動したような挙動。おっかしーなーと思いながらまた ⌘+R 起動して、csrutil を disable ったり enable ったりしますが何をやっても元に戻らない。
OCLP を起動して Post-Install Root Patch でパッチを当て直しても何も起きません。
ビルドし直したり、あれやこれや試しましたがどうにもなりませんでした。USBメモリに作ったインストーラーも同ボリュームでは二度と動いてくれず上書きインストールもできません。完全に駄目になってしまったようです。
ボリュームごと削除してすべて最初からやり直す羽目になりました。しかも何度もやっちまった。
XtraFinder を使う方法 … 要は SIP
一旦諦めたものの、諦めきれないので少し本気で情報をあさりましたら、答えらしきものが見つかりました。
OS が用意した方法で SIP を触ってはならない
要は SIP(System Integrity Protection) です。Macでは ⌘+R 起動して、ターミナルに切り替えて csrutil コマンドを使いますが、実は OCLP が 細かく SIP を制御してるというか何かを割り当ててるというか、カスタムしているので、OSの機能側からこいつを触ってはいけなかったんです。
OCLP の SIP を使う
実は OCLP の Setting から Security で、SIP を操作できます。こういうのが用意されていたんですね。
Setting の Security の下方に SIP チェックボックスがあります。

XtraFinder をインストールするには・・・よく分からないのですべてチェックしました。チェックを入れた項目が disable になります。逆に思えそうですがチェックした項目が「無効」です。
こうしてから、Build and Install OpenCore します。
再起動して確認すると、XtraFinder が無事、起動できました!
尚、起動できたから安心して SIP をデフォルトに戻したところ、XtraFinder は再度起動しなくなりました。さらに、グラフィックまわりの不具合(Metal を上手く利用できずカクカクの遅い描写になる)も再発しました。
再発しましたが、セキュリティを設定し直してから Post-Install Root Patch を当て直すことで修正できました。修復できてよかったよかった。
ということで結論は、XtraFinder を使うには OCLP の設定から SIP をイジります。
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・・・と、ここで公開後すぐの更新・変更ですが、てきとうに全部にチェックに入れたことがあまりにも雑なので、もうちょっとちゃんと知ろうとテストを繰り返しました。
昔コンフリクトキャッチャーで学んだ半分作戦やってみます。半分にチェックを入れてビルド&インストールして再起動して確認、OKならさらに半分、駄目なら残りの半分を対象にしながら繰り返し、もし複数のチェックが必要ならお手上げだなと思いつつ、テストの果てに結論でました。
ALLOW_TASK_FOR_PID
XtraFinder が起動可能なSIPの最低限の設定はこれでした。デフォルト以外では ALLOW_TASK_FOR_PID にチェックが入っただけです。
設定してからビルド&インストールを行い、再起動して XtraFinder が起動できることを確認できました。
繰り返しのテストで不調
起動できるようになりましたが、グラフィック周りがちゃんと動いてない感じが再発しました。透明がすべて無効になるとか僅かに遅くカクつくという症状が出ます。何をやっても改善せず。XtraFinder、使ってもストレス、使えなくてもストレス、どっちが重いか天秤に掛けましょう。
・・・いや、繰り返しのテストが原因かもしれない。そこでテスト結果を基に、全部削除して最初から正しい設定でやり直しました。
問題なし
やはりテスト中にゴチャゴチャいじったのが不調の原因だったようで、シンプル操作でやり直した所、グラフィックの低調もほとんどなく無事にXtraFinderが使えました。
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というわけで XtraFinder が上手くいったので希望を込めて Retroactive の Aperture を試しましたが、こちらはやっぱり起動できませんでした。
もひとつオマケ:ATOK 2017 をインストールしてみたところ、正常に使えました。ATOK 2017すげー。