ユーザーフォルダのオカルトチックトラブルと顛末

ある日Macにトラブルが続出してユーザーフォルダがおかしくなったので新しくすればいいだけだなと思ったらそうでもなく、大層苦労する羽目になったというお話です。

Mac の不調

コンピュータの調子が悪いときに一番にすることは、どこが悪いのかを特定することです。機械の故障なら修理するか捨てる、システムの問題なら修復するかOSを再インストール、ユーザーフォルダ内の問題なら頑張って治療するかすっきりユーザーを作り直します。

今回、久しぶりに不調になったので通り一遍のトラブルシューティングを試みた後にユーザーフォルダの作り直しまでやったんですが、結果が気に入らないので悪あがきしました。

症状

不調の症状が少々珍しかったのでちょっとだらだら書きますが、退屈なら読まずに飛ばしていただいて結構です。最初はよくある「何となく重苦しく詰まった感じがする」ところから始まりました。

お約束のトラブルシューティングをしたわけですが、何度も再起動する中、何かが、あるいはすべてが次々に問題行動を引き起こしたのでございます。

  • 起動項目に入れているシェアウェアがすべて初期化され未登録状態に戻りダイアログが暴れる
  • 身に覚えのないFinderウインドウが次々に開き始める
  • 勝手にSafariが起動してサーバーエラーのWebページを次々に開き始める
  • 古いアプリを起動しようとする
  • すでにこの世にない昔のサーバーに接続しようとしてサーバーがないとエラーを吐く
  • どのアプリを起動させてもハング。一部アプリは「エラーをAppleに送信」の画面が消しても消しても出続けます。
  • Chrome など一部アプリは起動すら出来なくなり、設定捨てて再インストールしても効果なし。
  • 再起動するたびに、初めてMacを起動したときの「はじめよう」みたいなのが通知に出てきます。

目立つのは起動項目の異常です。確認すると、何年前かも判らない、macos 10.11 El Capitan のころの思い出の起動項目がセットされていました。その頃接続していたサーバー、その頃使ってたアプリ、多分、その頃のいつかは知らんがある日のsafri閲覧履歴、開いていたFinderウインドウ、それらを再現しようとして失敗してあたふたしておるのです。

起動項目を全部消し、未登録状態になってしまったアプリにシリアルナンバーを入れ、Finderウインドウを閉じ、Safariウインドウその他すべて正常に閉じて再起動するとまた同じ状態に戻ります。

修復しようがキャッシュ捨てようがPRAMクリアしようがOS再インストールしようが再起動するとある日の El Capitan が再現され続けます。

これは何事でしょう。輪廻系怪奇の世界がそこにありました。

おかしいときは大抵 iCloud である

さすがに経験上、大抵のトラブルは iCloud のせいであると知っています。El Capitan 時代にタイムスリップするこの怪奇現象をなんと呼ぶのか知りませんが、面倒ながら iCloud の手動リセット技なんかを数日かけてやりました。・・・しかし治りません。根深い問題がそこにあります。あるいは iCloud の初期化に失敗しただけなのでしょうか?

そういえば iCloud と同じくらい厄介な DropBox というのもあります。すでに学んでいるので、速攻消去して対処済みです。

ただ、はっきりしていることが一つだけありました。それはユーザーフォルダの問題という事実です。他のユーザーでは何も起きません。ですので、新規ユーザーを作って乗り換えれば万事上手くいくことは判っています。

最初はあまり気にもとめず、そのように考えていたのでございます。

ユーザーを作り直すが

ユーザーを新規に作り直すと何も問題なくなります。ですが以前のユーザーフォルダから必要なファイルを持ってこなければなりません。ここで大層苦労しました。

以前のユーザーフォルダから復元できない

以前のユーザーフォルダにアクセス権がないので、ルートユーザーで移動させてみたんですがそれでは駄目なんですね。普通ユーザーに戻るとアクセス権がないので開くこともできません。このやり方で Library 内もすべて移動させてしまってたんで、せっかくの新規ユーザーも完全におかしくなってしまいました。捨ててやり直します。

今度はオカルトユーザーに戻って、ユーザーフォルダをすべて外部ストレージに複製しました。外部ストレージはアクセス権関係ない筈です。

新規ユーザーを作って外部ストレージからあれこれ復元しましたが、一部のフォルダ・ファイルがアクセス権フリーになっておらずアクセスできません。

仕方がないのでルートからアクセス権を変更したのですが、このとき面倒なので「フォルダ以下全部に適用」したんですね。その結果、またもやあちらこちらでアクセス権に異常が起きてさわやか新規ユーザーがボロボロになりました。特に酷かったのが Library の一部ですね。Libraryを他のユーザー内に復元するということ自体に無理があります。ユーザーを捨ててやり直します。

ライブラリは危険と判っていても戻したいフォルダやファイルもあります。実際、戻せるフォルダも多くあります。そんな中、Mail フォルダは厄介でした。復元すると、メールもメールフォルダもボロボロになりました。どうにもならなくなり、ユーザーフォルダを捨ててやり直します。

その後もあの手この手とオカルトユーザーフォルダの復元を試みましたが、まあまあ良いところまでできたものの、最終的に Mail が復帰出来ませんでした。ローカルmailboxがすべてが変な文字列フォルダになってしまい、どうにもなりません。

そのあとはもう何を試したかすらはっきり憶えていません。ただジタバタしていました。が、最終的にメールフォルダの読み込みに成功しました。

どれが功を奏したのか判りませんが、オカルトフォルダから外部に待避、オカルトユーザーの名前を変えて、ついでにIDも変えてしまい、新規ユーザーにその名前とIDを再現、TimeMachineもフル活用しながら、復元したり外部に保存したフォルダから戻していったような気がします。そのどこかでメールフォルダの読み込みに成功して「ついにやった」と声に出したものです。

教訓

この退屈な寓話の教訓は何でしょう。

TimeMachineはとっても大事

はい。それは絶対に必要です。

iCloud などのネットストレージも手元にバックアップを持つ

はい。それも常識です。特に iCloud は問題児ですからいつ初期化してもいいように手元に必ずバックアップを持っておきます。

ユーザーフォルダに自分のファイルをあれこれ置かない

これです。ユーザーフォルダ内に普通のファイルやフォルダを多く置いてしまうと、バックアップから14日前に戻すようなことを行った場合、普通のフォルダだけを別途復元し直さなくてはなりません。それなら最初からストレージを分けておくほうが賢いです。

Mail に注意

Mail フォルダの厄介さに直面しました。いろいろやった中で、Mailの復元にだけは失敗し続けました。ライブラリ内のMailフォルダを戻すだけでは何も戻らず、読み込みにしたら全部がガタガタになり、TimeMachineでの復元もメールだけは他と異なり変なところに復元されたり二重三重に読み込まれたりとまともに戻らず、異常な結果になります。

もうこれはまったく意味が判らない世界でした。これに懲りて、メールソフトを変えようと思いました。

が、いくつかメールソフトをダウンロードしてみた結果、どいつもこいつも全く気に入らないんです。見た目が鬱陶しい、多機能でうんざり、そんなです。昔あったポスティーノみたいなシンプルなのないんかい。とか、せめてアリーナみたいな気の利いたのないんかいとか思っても無駄です。Apple Mail も大概使いにくいが、見た目的に一番ましであった。

復元で特に問題になったのがローカルのメールボックスでした。昔、メールがpopで容量もちっぽけだったころの名残で、定期的にローカルに保存していたんですが、これがアダになった感じでした。

解決策というか予防策でもありますが、ローカルからIMAP のサーバーに送り返しローカル保存に重きを置かないようにしたのです。ほとんどがいらないメールでゴミなわけですが、ごくごく希に置いておきたいのもあります。そのチョイスを今から行うことは非現実的なので、無駄と知りつつごっそりサーバーに戻してあとはよろしくと、これでちょっとすっきりしました。

 

後になって振り返ると、この手記で問題と解決を記そうとしたわけですが、問題がどこにあったのかも判らず、それをどう解決したのかも不明瞭という、甚だ信頼の置けない独白となってしまったのでした。この話に何か意味があったのか、なかったのか、いや、そもそも怪奇現象が本当に起きていたのかどうかさえ、今となっては誰にも断言できないのでございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください