Eagle 3.0 見事なバージョンアップ

素材管理アプリの eagle が 3.0 に更新されていました。

以前、Aperture のせめて片足の足下くらいでいいので代替ないものかと探し回っていた頃に知った eagle という素材管理アプリです。ai に対応していると言いながら対応していなかったり、参照で登録できずにすべて自前のライブラリにコピーしてしまったり、問い合わせのやり取りの最中に「お正月だからしばらく休みますね、戻ってきたらすぐ連絡します」と言いながら二度と連絡を寄越さなかったり(いや、この件は文句ではなく好感度上がったエピソードなのですけど)すごく良い素質のアプリなのに惜しい部分が致命的なので使いようがなく、買ったはいいが放置していました。

 eagel 3.0

テスト中にいくつかライブラリを作って散乱していたので、中身を確認して処理してから捨てようと思って久しぶりに起動すると、3.0への更新のお知らせがありました。

近頃、Photo SupremeAffinity や、そういえば FileMaker など、使用しているアプリのバージョンがマイナー含めて上がっていますが、いずれも Mojave が対応から外されたので関係ないものになってしまいました。それで、きっと eagle もそうだろうと思いつつ試してみたら更新できました。

対応 MacOS 10.13 以上

対応OS MacOS10.13, Windows 10

Mac版の対応は10.13 以上、Windows は10以上です。いやもう素晴らしいです。前バージョンも世代的にけっこう古いバージョンに対応していましたよね。10.11だっけかな。

対応OSの幅が広いアプリケーションは、長くお付き合いできる安心というものを提供します。これ即ち信頼です。信頼。いいですか、商売で何が一番大事だと思います?信頼ですよ。

対応OSバージョンは過去1個か2個まで。とかいう性根の腐った使い捨て前提の末期資本主義的刹那アプリが多い中、この対応には絶賛を惜しみません。

ついに AI が読み込めた

前バージョンから Illustrator ai や eps に対応していると謳っていましたが対応できていませんでした。「ちゃんと読み込めるよ」という声もあったので、何かが原因の問題点だったのだと思いますが、サポートさんといろいろやり取りしてもその原因がわからず、最終的に「わからないので諦めてください」となりました。しかし 3.0 で、ついに問題が払拭され AI ファイルを読み込むことができました。

ただしサムネイルが反転しておりますが。

ai が読み込めた
ついに読み込み中にフリーズすることなく無事 ai を読み込めた。反転なんてご愛嬌

ai や eps のサムネイルがひっくり返る現象は Affinity でも他のソフトでもよく起きているので気にしません。eagle は「カスタムアイコンをサムネイルとして使用する」という至れり尽くせりの新機能も付きましたので、どうしても気になるなら自前でアイコンを用意すれば良いです。

軽快ブラウジング、さくさくプレビュー、かんたんフィルター

ぱっと見は前バージョンとあまり代わり映えしません。軽快に見て回る快適さは健在、画面デザインはシンプルで鬱陶しいものが何もない。UIで迷わせないし、優れています。

eagle 3 外観
eagle 3 外観

プレビュー ↔ ブラウザ の切り替えも素早くて、ダブルクリックでプレビューしダブルクリックで戻ります。この当たり前の動作すら出来ない管理アプリが意外と多いんですよ。さらに、ダブルクリックすらダルいあなたや私にはスペースキーが用意されています。スペースでプレビューとブラウザを行き来できます。QuickLookを割り当てることもできます。やってみたけどどう考えてもプレビューに割り当てた方が軽快でした。

eagle 3.0 設定 ビューア
設定画面

新機能

Eagle 3.0 アップデート内容のご紹介 にアップデート内容が記されています。特筆すべき点がいくつもあります。

フィルターを保存

もともとフィルタ機能は優れていました。特に画面の上部でサクサク選んでフィルタするのはLightroomに肉薄する機能で、なおかつ快適でしたね。そのフィルタ条件を保存できるようになりました。

フィルタを保存
フィルタを施したあとは現在の条件を保存できる

フィルタ条件もいくつか増え、フィルタのロックもできるようです。フィルタ以外にもクイックサーチでファイル検索が出来るようにもなったそうな。

検索、フィルタ、ともに機能が向上しています。

フォルダ管理 – 文字列をコピーしてフォルダ作成

地味に凄いのが「文字列をコピーしてフォルダを作成」機能というやつです。これね、よくこんなの思いついて搭載したなと思います。

例えばエクセルで縦にセルをだーっと選択してコピーしてからサイドバーでフォルダ作成するとセルと同じ名前のフォルダを連続で作れるという。

リスト表示

リスト表示が可能に。Apertureに迫ります。リスト表示の快適さではApertureを越えました。Apertureでリスト表示するともたもたしたり文字が消えたりしますからね。最も優れているのはFileMakerで自作しているメディア管理DBなのですが、その存在価値も危ういほどです。

リスト表示
リスト表示

キリがないのでこのあたりにしておきます。上記リンク先で確認してください。他にも優れた更新がたくさん載ってます。

参照できない eagle に使い道はあるのか

3.0 での向上は目を見張るものがありますが、ライブラリに参照で登録できないという(私個人にとっての)最大の弱点はそのままです。

以前どこかで読みましたが、参照させないことは eagle 設計思想の根幹であるそうですので、方針が変更されることはないでしょう。

参照で登録できないのに素材管理を行うというのは、普通に考えて使い道がありません。でもどこかにそれはあると思います。

一つは画面キャプチャの管理とか。これ、自分にとって CodeRun 開発以来めちゃ利便性上がってますが、スクリーンキャプチャをFinder でファイル管理するというのはやっぱ面倒なことで、こういうのに向いているように思います。

それと、これはまだこんなこと言って大丈夫かどうか自信ないのですが、デジカメで撮った写真管理にこそ向いているような気がしてきています。つまりこれって、Apertureの代替になるかもしれないという爆弾発言ですが。

写真管理こそライブラリにぶち込んであとは勝手に整理してくれてこっちはフォルダ、アルバム、スマートアルバムなどをアプリ内で作りまくって好きに管理するというのが向いています。

ライブラリに全部ぶち込み管理をアプリケーションに任せることに関して、唯一ひっかかりがあることは「信頼できるのかどうか」です。なのでAppleのApertureやAdobeのLightroomのような巨大メーカーでそれを許し、インデペンデントの小さなアプリに不信感を持っていたというのがありました。

しかし現実はどうですか。AppleやAdobeのいったい何を信頼しろといいますか。信頼など0です。巨大企業だから信頼するなどというのはとてつもなく愚かで危険な発想です。

新興の eagle、前バージョンまでは私もまったく信頼していませんでした。しかし忘れた頃に見事な更新を果たした姿を今見てしまったので、信頼バーは倍以上伸びました。

よくある質問」に次のような一説があります。

Eagle がメンテナンスされなくなった場合はどうなるのですか?

Eagle はオンラインサービスではなくローカルソフトウェアであり、収集された素材はすべてローカルデバイスに保存されるため、Eagle がメンテナンスされなかったり、サーバーに問題があったりしても利用できなくなることはありません。

将来、Eagle チームが製品を運営できなくなったとしても、Eagle ソフトウェアをオープンソース化し、オープンソースコミュニティが製品の開発と保守を続けるので、「使えなくなった」「今まで集めた苦労が水の泡になった」と心配する必要はありません。https://jp.eagle.cool/article/1067-what-if-eagle-doesnt-maintain-in-the-future?categoryId=1025-faq

Appleなんぞ世界一の大企業になったが、Apertureをオープンにするどころかポイ捨てしたあと誰にも触らせず人の人生を水泡にしたあげくさあ次の何かを買え買えとあざ笑っておりますよ。

eagle が Aperture の代替となり得るのかどうか、Exif 機能がほぼないので現実的ではありませんが、そういう目線で見始めている自分に驚いています。もしかしたら自作メディア管理でそっち機能を補えるかもとか。わからないけど。

  eagel 3.0

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