さようならAdobe

CCicon

カスタム記事に疲れたので小休止してさようならAdobeという感傷的なお話です。

Adobeとのお付き合い

Adobeとのお付き合いはPhotoshop 2.0、Illustrator 3.3 のころからだったかな。一時期は全ソフトに近づく勢いで買っていたような気もしますが、ある時期以降、この会社はどうにもおかしなことになっていき、仕舞いには課金によるレンタル契約のみを押しつける怪しい会社になってしまいました。

昔から使っているユーザーやある種業務ユーザーにとってはAdobeソフトは代替の効かない絶対的な存在でありますから半泣きでレンタル契約をします。しかし、このような写植機のようなCADソフトのようなトルエンの一斗缶のうような一人親方労災保険組合のような、つまり特殊な専門家のみが使う特殊な業務用品という位置づけになって、後の世代が広く付いてきてくれるのかどうなのか、甚だ疑問でありますね。もう昔のようにみんながAdobeAdobeと憧れを伴う熱いまなざしを送ることはなくなるだろうと思います。

さて私も古ユーザーですから代替がなく絶対的な存在であるところのPhotoshop、Illustrator、AfterEffectsその他ソフトをできれば長く使いたい、レンタル契約でもレンタルにふさわしい価格なら我慢できる、ということで、キャンペーン価格の年間24000円コースってのがあって、それを契約していたわけです。これは1年間限定のサービスらしいのですが、普通の人間の感覚ならばこの金額はレンタル価格として上限に張り付くギリギリです。

詐欺まがいの「プランご提示」と解約

というわけであっというまに1年がすぎ、もう十分わかったから解約しようとアカウント管理から手続きを開始したら、まるで携帯キャリアの引き留め作戦のような画面が現れました。

「このまま同じ契約内容で継続するプランをご提案します」

おや、そういう作戦なのか、と思いまして。サービス価格で継続させてくれるのね。じゃあ引き続き。と、うっかり契約を更新しました。

世の中にはいろんな詐欺が溢れています。おれおれ息子息子とか、そういうやつですね。騙される奴あほやなーとみんな思ってるでしょ。でもね、こうやって自分が被害者になると、誰にも迂闊なところがあって、隙を突いて狙ってくる犯罪者から完璧に身を守るのは本当は難しいことなんだと気づきますよ。騙されてるほうが悪いのだとネットで陰口を叩くより、被害者の身になってあげましょう。

内心「騙されたかも」と思うわけです。ですからアカウント管理画面で、新たに更新した契約についての詳細を確認しようとするわけですが、自分が契約している契約内容を確認するページなどどこにもないわけです。これにはさすがにちょっと笑いました。契約内容も知らされずに契約するんですよ。お人好しですねえ。

契約内容を契約者に示さないということは後ろめたいからに相違ありません。

詐欺を確信してAdobeのサポートに連絡を入れようとしましたらこれが平日昼間のみの受付。サイトからの申し込み以外の連絡の手段が一切示されておりません。どんなことがあっても契約者が連絡を取りにくくしておりますね。

てなわけで平日を待ってサポートに連絡すると、予想通り「同じ契約」と偽りながら年間60000円の全然違う契約をしたことになっておりました。年間6万円を安いか高いかで語れません。自分は例えばPhotoshopとIllustratorを24年ほど使い続けていますが、年間6万円レンタルだとすれば24年で144万円ですね。・・・・かつてこれくらいは楽勝でAdobeに使ってきた気もしますが。若い人なんかはどうですか。30年くらい使いますか。会社のものだったら経費で落ちますからどうでもいいですね。個人では辛いですね。まあそんなことはともかく。

「そのような記述はありませんでしたので契約を取り消し解約で手続きしてください」とお願いして、無事解約となりました。

実は怪しいと思ってサイトのアカウント管理画面から解約手続きをしようとしたらですね、解約金が発生しますなんて書いてあったので「あほかぼけかす詐欺師」と中断して、それでサポートに連絡したんですよ。直接連絡したら普通に解約の手続きをやってもらえました。

CCの一年間

さて、1年間CCを契約して、その間どうだったかという話です。

 Photoshop、Illustrator

Ai-folderPhotoshopとIllustratorは割とアップグレードもしてきたので手元にCS6があります。ソフトの出来映え的にはCS5が最終形と思いますが、哀しいかなCS5にいくつか辛いバグがあって、見た目使い勝手が改悪された汚い画面のCS6が機能的にはましになっていて使うしかありません。その上でCCですが、汚い見た目が多少ましになっていて、これをしばらく試用してみました。ある時仕事で使うCCファイルをCS6で開こうとしたらこれが開きません。まあそうでしょうなあ。でもPhotoshopファイルなんかはこれまで下位バージョンでもわりと開けていたんですよ。

Ps-folderCCのファイルは下位バージョンで使えない。これはどういうことか。つまりレンタル契約を解約すれば、もう手元のファイルを二度と開くことも編集することもできなくなるということです。これでは大事な仕事にも大事な個人的作品にも使えません。仕事はともかく、個人的なファイルはいつまでも開きたいじゃありませんか。老後の楽しみにもなるかもしれませんし。

これやばいぞ、と、結局はCS6で作業することが日常化します。ファイルをダブルクリックするとうっかりCCが起動したりしますから、わざわざ「このアプリケーションで開く」をCS6に書き換えます。

After Effects、Premiere

Ae-folderむかしAfter Effects 3 を買って「動くPhotoshop」に大感動したのも今は昔。After Effects は集中モードで使うときがたまにあって、それ以外の日常ではまったく使わないソフトです。実はうっかりCS6のアップグレードをし損ねて気づいたときにはもう売ってなかったんで、これが大後悔。CS5.5は今でも動くから我慢しますが、CS6をちゃんと仕入れていたらCCなんかにも全く興味を持たずに済んだのにとそれだけが心残りです。

CCではモーションキャプチャみたいなアニメーション機能も足されてて、面白そうですがまだちょっと完成度が低く実用しにくい先々楽しみな、そんな未来にまだ期待が持てるソフトですね。パペットアニメーションはBaBanensのムービーでも必須の機能です。これ単体で売ってくれたらなーとしつこく思っていますがないものはないので仕方ない諦めます。

Premiereがまた因果のソフトですね。個人的にも思い出深いソフトです。QuickTimeというものが画期的に登場して動画に感動しまくった直後に登場したPremiere。私はPremiere3まで買えませんでしたが、その頃作ったアニメ、今見たらどうにも酷いものですが当時は数百時間かけてレンダリングした熱さの詰まった思い出深いものになっております。

で、そのPremiereですがバージョン4のその次くらいだったかな、Windows版が出てきてMac版を切り捨てました。わたしきり捨てられました。

もともとPremiereを作った天才の人はAppleに移っていてそこでFinal cut proを作っていまして、このときAppleが珍しくサービスたっぷりのキャンペーンを行いました。すなわち「Premiereのユーザーさんカモン。格安でFinal cut proをご提供!」と、すこぶる低価格で颯爽とFinal cut pro に乗り換えられたラッキーな私たちです。
余談になりますがPremiereを作った天才の人はその前はアビッドのビデオ編集システムとか作ってたんですよね。この人、天才だけでなくインターフェイスデザインを作る才能が神がかっており、つまりただの天才どころかインターフェイスの神様なのでありますよ。聞いてびっくりですが、この人がApertureを作りました。iPhotoも作りました。そしてその後Appleを去りました。去った後Appleが作ったのは例のくっさい写真アプリとかですよ。それを知って、自分が好きなのはAppleではなくてこの天才の人であったとはっきり判りました。その天才の人の名は。・・・忘れました。

というわけで映画制作の中心となりビデオ編集の代名詞となった Final cut pro が どうにもならない X になってぞろぞろとお客を逃がし、逃げた客を再び取り込んだのが「やっぱりMac版作ったからどうぞ戻ってきてください」というPremiereであったという、まあ因果は巡ります。

というわけで私もPremiereに返り咲きたい気持ちは強いのです。ですが哀しいかなレンタル契約しかありません。それで、結局はまだ Final cut pro を使い続けているという、結局大企業のエゴに付き合いきれず過去に引きこもった老人でございます。

Lightroom

Lr-folder永久レンタル契約しかなくなったAdobeですが、Lightroomだけは製品版が売っています。いずれ製品版がなくなるのは時間の問題かもしれません。

ApertureがAppleによって殺されてしまい、Apertureに近い機能を有するソフトはLightroomだけになってしまいました。がんばって使ってみましたがUIの悪さとカタログ機能の貧弱さゆえ、やっぱりまだApertureを捨てられません。

Aperture-iconLightroomは最初現像ソフトで、カタログ機能はほぼありませんでした。Apertureの機能を取り入れだしたのは最近のバージョンからですね。これ今後もっともっとApertureのカタログ機能を取り入れてくれれば嬉しいのですが多分そうはなりません。Apertureを作った人が天才すぎるから真似しても真似しきれません。Lightroomを作った人も天才ですがただの天才です。ただの天才はあまり賢くなくて、特にUIデザインの才能がありません。これはGoogleにいる天才たちの作ったわけのわからないウェブサービスのUIを見ても判ります。多分天才はあほのことが想像もできないから「使いやすい」などという概念や基準をまったく持たないためであると想像しています。

とはいえ、現像機能のその機能に関してだけ言えばApertureなどとっくに凌駕しています。レンズ補正とか手放せない機能もあります。日常的に使う気が起きないという決定的な弱点を克服できる日か来るのか来ないのか、そのへんにかかっております。

InDesign

ID-folderAdobeにうらみつらみが発動し始めたのはPageMakerからです。私はそもそもはアルダスのユーザーでした。PageMakerがAdobeに買収され、その後酷い扱いの果てにボロぞうきんのように捨てられた経緯を見守ってきました。さすがに私にはプロ編集者が使うような編集ソフトは不要で、PageMakerくらいがちょうど良かったんです。感じ的にはそうですね、クラリスワークスの高級版みたいな位置づけと言えばわかりやすいか。そういえばクラリスワークスに匹敵するソフトも今の時代まだ登場していませんね。なにやってんだ。

PageMakerのユーザー様InDesignを格安でどーぞっていうキャンペーンの末に手に入れたInDesignは高機能すぎて最初もてあましていましたがそのうちこれ便利やがなとすっかり気に入って、印刷前提のちょっとしたレポートなんかにちょくちょく使っていました。アマリリス大全集の付録の冊子もこれで作りました。

とはいえそこまでのことで、これはアップグレードもせず今でもCS3のままです。CS3のファイルはPageMakerの書類ほどではないにしろ結構HDDの中におりまして、希に開く必要があります。そのためだけにCC契約するほどお人好しではありませんが、あれば便利です。まあ無くてもどうにかなります。

CS3はどういうわけかまだ自分の環境で動いています。

DreamWeaver

Dw-folder何度もチャレンジしてはそのたびに「ええい、この下品なクソソフトめっ」と投げ捨て続けたDWです。これはインターフェイスデザインが嫌いなので何の未練もなく使用しないソフトで、どうでもいいです。

遙か昔、ウェブに若干乗り遅れたAdobeが出してきたのはSite Millというソフトでした。サイト管理とHTML作成機能を備えた豪華絢爛なソフトでした。これを使うことによってウェブサイトの構築を学びました。凄く高いソフトでしたがみるみる値段が下がり、HTML作成に特価した安価なPageMillなんかも出てきて、そのあげくしぼんで消えました。その後、Macの世界で話題だった新世代ソフトGoLive Cyber StudioをAdobeが買収。PageMakerの悲劇が繰り返されます。私はCyber Studioにわりと惚れ込んでいたので、ここでもAdobeに恨み辛みが発動しました。そのせいもあってDWが嫌いでした。でもDWも買収された哀れなソフトです。フラッシュもそうですね。Directorはどうなった。そうなんです。ライバル製品があれば買収して潰す。これがAdobeの新しいやり口でした。ふと気がつくと、Adobeはクリエーターにツールを提供する会社ではなくなっていたわけです。いずれ課金による収益確保のえげつない会社になることは十分予想できたのでした。

CS6を使っていた

「CCの一年間」と小見出しを付けた癖にAdobe二十数年間の思い出話になりましたが、改めて1年間のCCです。そんなわけでですね、契約をやめれば使えなくなってしまうということに恐れをなしてCSばかり使い、CCをまったく起動しませんでした\(^ o^)/

 

Affinity-designer-icon Affinity-photo-iconついでに Affinity DesignerAffinity Photo の話ですが、登場してすぐは期待を込めて購入しましたけど、このソフトもインターフェイス周りが不出来で色も黒いし単キーショートカットが効かなくなるしまだ通常使用の域に達していません。がんばって使うようにはしていますがもうちょっと何とかなってくれませんかねえ。本気が必要なときは Affinity ではなく AdobeのCS に手が出ます。何だかんだと言いながらAdobe製品の完成度は高いので、おいそれと誰も近づけないのでしょうか。がんばれー。

 

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