Adobe 旧バージョン使用不可のシークレット改変を行うの巻

adobe cc

数日前よりAdobeユーザーが阿鼻叫喚している模様です。というのも、Adobeがこっそり利用規約を変更し旧バージョンを使用不可にしたのだとか。

Adobeの改悪

2019年5月9日、Adobe CCを契約しているユーザーに対してアプリケーション利用方針の変更を行い旧バージョンを使用不可にしてインストーラーのダウンロードもできないよう措置を行ったということです。

Adobe CCを契約していてもCS6は使用禁止? さらにCCでも古いバージョンの使用を認めない方針に。

上記記事に詳しく載っています。さらに、この措置は景品表示法の優良誤認に該当すると考えられるということで、以下の記事にさらに詳細が掲載されています。

「CS6以降のアプリがいつでもすべて使える」という売り文句のAdobe CCが、事後報告すらなく過去のアプリが使えなくなった件

という、だいたい上記ふたつのサイトをしっかり参照されることをおすすめします。

今更Adobeの悪辣さを語っても仕方ないのですが、ネットというかクラウド依存というか「物」のない昨今の流通の流行に危機感を持っていて、今回のことでもインストーラーがある日突然入手不能になるというようなことが起きたときに問題が顕在化します。

Adobeの措置に阿鼻叫喚のユーザーたちですが、Appleなんかは似たようなことを散々行ってきているのである種のプロユーザーはこういう手口に慣れてきてもいます。

アーカイブと形なきブツ

さて、最新のジャン・リュック・ゴダール監督作品「イメージの本」に関してアーカイブの重要性と配信のみになってしまう危機感ですね、これについて監督は語っています。映画でもアプリケーションでも問題の本質は同じかと思います。

昔コレクターは自分の部屋にコレクションを溜めまくりました。今のコレクターは自分のストレージにコレクションします。しかし最新の流行ではコレクターそのものが否定されています。つまりアーカイブを所有したり管理したりすることなど不要で、ネット上にあるんだからそれでいいじゃんという理屈です。映画でもアプリケーションでも何でもかんでも、手元に置いていても無駄で、ネット上やクラウド上にあるものに必要なときだけ金払ってアクセスすればいいというわけです。

一見スマートに見えますが底の浅い考えだとすぐに判ります。ひとつにはアーカイブの重要性を理解していない点ですが、もっと判りやすいのは元締めがネット上から消せばすべて消え失せて二度とアクセスすることができなくなるという現実に直面するという点です。

CC

Adobe CCはアプリケーションを使用する権利をAdobeから高額レンタルする仕組みです。いろんなバージョンがあったり「どのバージョンも使えます」と虚偽の宣伝文句で釣っていたりするものの、どのみち「アプリケーションを購入してユーザーが使う」という仕組みではありません。ユーザーはAdobeから何も買っていないし、所有もしていません。「使ってもいいよ」とお許しをいただいて借りているだけです。勝手に以前のバージョンを使えなくすることやインストーラーの配布を停止することもAdobeの自由です。ユーザーが如何に不便を被ろうと末期資本主義では資本が王様、資本のいうがままに下民は従わねばなりません。

ただし末期資本主義でもまだわずかにデモクラシーが生きていますから下民は反発することも可能です。先にリンクした「『CS6以降のアプリがいつでもすべて使える』という売り文句のAdobe CCが、事後報告すらなく過去のアプリが使えなくなった件」のブログでは、著者が消費者庁に報告しました。理不尽に感じるユーザーも同様の行動を行うのが良かろうと思います。

消費者庁に報告するのが良いと思います。
この件についてさまざまな役所の方や、中小企業のトラブルを解決している財団法人などにも問い合わせましたが、今回の件は「景品表示法の優良誤認に該当すると考えられる」との見解を複数の方からいただきました。
Stocker.jp

消費者庁に連絡するのは以下のページだそうです。

景品表示法違反被疑情報提供フォーム|消費者庁

CS

ということでCCユーザーは慌てふためいている模様ですが、この件、CSユーザーには今のところ関係ありません。CCはレンタル契約ですので景品表示法違反の疑いはあっても利用規約の変更は業者の好きに何でもやり放題なところもあります。CSはレンタルではなく購入したものなので今回の改悪の影響を受けません。

ただし、CSもCCも両方インストールしている場合は要注意です。CCをインストールするとき「既存のCSを削除する」ことに同意する必要があるそうなのです。これはあまりにも酷いですね。

また、CSといえども認証が必須なアプリケーションゆえ、Adobeがいつ認証サーバーを停止するかもわかりません。かつてCS2のサーバーを停止するとき、CS2ユーザーのために新しいシリアルナンバーを公開しました。あのとき変な騒ぎになったので次にCS6認証サーバーを停止するときはそういう措置をしてこない恐れがあります。だって「CS6の使用を禁ずる」という今回の暴挙ですからね。CS6サーバーをわざと停止させて嫌がらせをしてくることは十分に考えられます。というかそれやられるのも近いんじゃないかと思いますね。これが来たら大変なことで、Adobeユーザー全員が阿鼻叫喚、集団訴訟になるかもしれません。訴訟になったらまだ見込みありますがそのようなパワーが底辺アドバー(Adobeユーザー)残されているのかどうなのか、そのあたりも気になるところであります。すっかり飼い慣らされてユーザーのくせに経営者の味方をするというイカれた底辺アドバーの存在だってネット上でちらほら確認できますし。

ここDigitalBooブログでは今でも「さようならAdobe」という記事がよく読まれています。

さようならAdobe

みんなAdobeに不満たらたらなのですよね。会社は最悪ですがソフトは優良なのでみんな半泣きで使っています。かつて販売していた価格より何倍も高く設定されたレンタル料金を払わされ続ける悲劇についても改めて考察を必要とするかもしれません。

今後、CS6が本当に使用不能になってしまったらいよいよAdobe離れに本気で取り組まないといけなくなりそうですがそんなことが可能なのか。代替ソフト屋さんがんばってくれと何年も応援してきましたがまったく歯が立ちませんでした。将来はちょっと暗めですよね。

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