Appleが昨年2018年の12月に「Final Cut Pro X のレガシーメディアについて」を公開し、QuickTimeが対応してきた多くのビデオフォーマットが10.14の後のバージョンのMacOSでサポートされないことを告げました。
Link: Final Cut Pro X のレガシーメディアについて
QuickTimeの廃止準備が始まったのはMavericksあたりからだったでしょうか。少しずつ命を削っていき、次期MacOSで大がかりなポイ捨てが完了する模様です。
これまでQuickTimeの拡張により多くのフォーマットが扱えてきましたがすべてご破算になります。
QuickTimeは1991年に登場して以来長く使われてきた最強ムービー環境でした。時間軸中心主義のQuickTimeはPremiereとセットで歴史を塗り替え作り変え、否、創り上げましたね。
QuickTime Proが登場してからはコンピュータ史上最も簡単軽快ムービー編集機能を持つQuickTimeプレイヤーも存在感を放ち、今においてもこれを超える同種のアプリケーションは存在しません。QuickTime 7 Playerの代替アプリをたまに探すのですがいいのがありません。
今あるQuickTime Player.appとかいうやつは編集もできないしループ再生もできないし何にもできずスクリーンショットムービー以外に使い道のないクズで、いや出来ないだけじゃクズ呼ばわりしませんが何がクズって、コントローラーを画面の中に出してくるという最低のクズっぷりです。
画面の中にどどーんとコントローラーを表示して再生を邪魔する酷いやつ
こちらは正しく画面外にコントローラーがあるQuickTime Player
何でもAppleがやればすぐ真似をする腰巾着野郎どものせいで、他のプレイヤーアプリもこぞって画面内にコントローラーを貼り付ける悪のデザインを採用しまくり動画再生暗黒時代が続いています。
というような文句を言いたいんじゃなく、次期OSから切り捨てられるメディアフォーマットは上記Appleのページによると以下になります。
切り捨てられるフォーマット
- 3ivx MPEG-4
- AV1/VP9
- AVC0 Media AVA0 Media
- Avid DNxHD/DNxHR
- Avid DV/DV100/JFIF/Motion JPEG
- Avid Meridien/1:1x/Packed/RGBPacked
- BitJazz SheerVideo
- CineForm
- Cinepak
- DivX
- Flash Video
- FlashPix
- FLC
- GlueTools コーデック (Cineon/DPX、Phantom Cine、ARRIRAW、非圧縮 RGB 用)
- H.261
- Implode
- Indeo Video 5.1
- Intel Video 4:3
- JPEG 2000
- Microsoft Video 1
- Motion JPEG A
- Motion JPEG B
- On2 VP3、VP5、VP6、VP6-E、VP6-S、VP7、VP8、VP9
- Perian コーデックコレクション (Microsoft MPEG-4、DivX、3ivx、VP6、VP3 など)
- Pixlet
- Planar RGB
- RealVideo
- REDCODE QuickTime Decoder (.mov)
- SGI
- Sony HDCAM-SR (SStP)
- Sorenson 3
- Sorenson Spark
- Sorenson Video/Video 3/YUV9
- Streambox ACT-L2
- Windows Media Video 7、8、9
- Xiph.org の Theora Video
- ZyGoVideo
同ページ内では「今後もサポートされるフォーマット」の中に「Apple アニメーションコーデック」がありますが、そうですか?現状クイックルックもできないし、実質サポートしていませんよね。大丈夫なんか?AfterEffectでレンダリングしたファイルはほぼ全部Animationコーデックですのでやたらたくさんファイルあるんですけど、なにもしなくて大丈夫?
というわけで次期OSのFinal Cut Proでサポートされなくなるフォーマットのお知らせ記事についての自分メモみたいな記事でした。オマケでいろいろ口汚く罵っておきます。
まああれですよね、次期OSのFCPとかいったって、すでに現状FCP7すら起動もできない状態なので、とっくに何もかものサポートを打ち切ってます。だから何を今更という感じもします。
Appleは刹那的に何かを出してはすぐにポイ捨てしますから今後もプラットフォームとしては信頼に値しません。新しいものに触れて古いのを切り捨て、その都度工夫してやりくりするという遊びもかつては楽しいものでしたが同じことを繰り返してるだけで一向に成熟せず、こんなのにいつまでもは付き合いきれません。
最強は今でもQuickTime 7 Player
改めて思うのはQuickTime 7 と Perian の組み合わせがいかに最強だったかということですね。10.12環境下でもまだ使えてますよ。QuickTime 7 Proの高機能高性能軽量痛快簡単便利の凄まじさは頂点を越えておりますので凡百の代替アプリが束になってもまったく敵いません。ほんとどうにかならないでしょうかねえ。
互換性、その後エミュの話に続く
かつて人類の祖先は洞窟に絵を描きました。何万年も前の絵が今でも残っています。14世紀の絵画や桃山時代の文芸だって今でも残っていて人間の営みは長く継続しています。コンピュータの世界では10年前のファイルが謎アイコンになって見ることも開くことも出来なくなります。や、それどころかMac使ってたら古いディスクをマウントすることすら出来なくなるんですよ。
何と、バックアップに焼いていたCD-RがMacでマウントすらできなくなったという事件が直近に起きてですね、最近はそっち方向の調べ物やテストなどを空いた時間にやっていてまた面倒臭いことになってきておりますがその話はまた別の機会に。