Safariの開発モードで赤くチラつく怪現象が起きていました。インスペクタを出していると赤いちらつきが襲いかかり、何かを行おうととても思えぬ苦しみに包まれます。
インスペクタの赤いチラつき
その現象が起きていたのはMacBookPro15で、OSがMavericksだろうがSierraだろうがSafariのバージョンがいくつだろうがOSを入れ替えようが何をしても開発モードが赤くチラチラして目眩と嘔吐感を誘発して、Safariを使ってのサイト開発は不可能でした。
他のMacではそういうことが起きないので、MacBookPro15の固有の問題と思っていました。そういえばこいつだけOSのダイアログやメッセージが英語だったりして、常に挙動が変です。
赤いちらつきで思い出すのがスペルチェックの赤い点々です。人を不愉快にさせる真っ赤な血のり。拭っても拭っても落ちぬわ。
スペルチェックと関係あるのかどうなのか知らないが、関係あるとすれば、このような下劣な見た目を採用する開発者の救いがたいデザインセンスという共通の関係があります。
で、ちらつきとはこんなのです。
目を潰すための赤い地獄です。普通の人なら5分で吐きます。
これを解決する答えはもう判明しています。判明していない間、そうですね、実際に5年以上、この赤いちらつきに遭遇し続けていて、もう最悪が当たり前という、今の日本のような状態になっていました。
答えは何かのボタンクリック
答えをもう知っていますのでもったいぶらずにいきます。インスペクタの中にある小さな筆のアイコン、このボタンが犯人でした。
これをONにすると赤いちらつきが現れて嫌がらせを開始します。オフにすると嫌がらせが終了します。
無自覚にこのボタンをONにしていたことが原因でした。そしてこのボタンに注意を払うこともなかったというオチです。
これが何の機能かというと、フキダシが説明しています。「ペイントフラッシュ」という機能だそうです。
ペイントフラッシュというとカッコいいですが(カッコ悪いが)、やってることは赤くチラチラさせて嫌がらせをするというだけです。嫌がらせ以外に何の目的があるのかわかりません。どう考えても他に意味はないと思います。
嫌がらせのためだけの機能がこうしてここにある。そのことがとても興味深いのです。
機能に意味がなくてもええやないか
思えば、機械や装置やコンピュータソフトの機能というのは、その多くが多機能高機能あるいは機能の充実を目指してごちゃごちゃと実装されます。実際にそれが良いものかどうかは別にして、目的としてはそうなっています。
そうでないものがあるというだけでちょっとくらくらしませんか?役に立たないどころか嫌がらせの為だけに存在するこの機能、機械にとっての機能、人間にとっての装置の機能とは何であるのかと根源的意味を問う大変高度な思想の元に実装された機能・・・機能と呼べるのか、呼べないのか、そう、これは哲学的に「アンチ機能」と名付けるべき機能ではないでしょうか。
アンチ機能の実装により、当たり前と考えていた「ボタン」「機能」とその背景にある目的を完全に見失うことに成功しています。
Appleはこのようなことを度々やらかしていて、例えば赤い点々もそうですが、不便にするためだけに機能を隠して宝探しをさせたり、サイドバーのアイコンから色を消し去ってわざと判別しにくくして人を不便に陥れたり、つまんで運ぶためのメニューバーを消滅させて掴みくくさせて苛立ちを演出したり、ウインドウをリサイズする境目をわざと見えなくしてどこを選んだら画面が動かせるのか判らない不愉快さに浸らせます。
アンチ機能によって機械に厭らしさを加味し、人間のように振る舞おうとします。そして人と同じように、便利とか機能的とか合理性とかジェンダーとか、そういう価値判断そのものを否定します。